私は子どもの頃に任天堂のファミコンのようなコンシューマゲーム機が家になかったことがトラウマ的になっていて、この年齢になっても年に2~3本くらい、その時期に世界で流行っているゲームに手を出すようにしています。

 そして、これまでに、純粋なFPSではありませんが「FPS要素」があるゲームもいくつかプレイし、その文化の違いに驚愕(きょうがく)することが沢山ありました。

 ドラクエ型とエーペックス(FPS)型の違いは、「見切りの判断の速さ」です。

 FPSでは、戦場の地形を理解し、こちらからの銃撃の射線がうまく通らないと判断したり、あるいは攻撃には有利な位置取りができていたとしても新しく現れた敵からの攻撃に脆弱(ぜいじゃく)なポジションだと判断すれば、一瞬で作戦を変更して位置取りを調節しながら次のアクションを起こしていくことが求められます。

学ぶことが多すぎた
「FPS要素」のプレイ

 1ヵ所で延々“はぐれメタル”を狩っていればそのうちなんとかなる、という世界とは全く違うんですね。一発撃ってみて、「あ、遠い」「あ、射線が通りづらい」「あ、左のあの敵からの攻撃に弱い」となったら即行動し、立ち回りを変化させ続けていく必要がある。その判断のスピードは、それこそ「一瞬~数秒」のレベルで、5秒とか10秒とかぼーっと同じことをしているようでは優秀なプレイヤーとはいえなそうです。

 私はFPSの熟練者である若い人の動画をYouTubeで見て参考にしながら2週間ぐらい「FPS要素」があるゲームをプレイしてみて、大げさでなく普段の生活や仕事のやり方が全く変わってしまうぐらいの影響を受けました。

 自分なりに地道に工夫したり練習したりする時間がゼロになるわけではありませんが、それをするとともに、できるだけ視野を広く保って情報収集を繰り返し、いろんな事例を集め、その先で自分の工夫を足していくことも大事だと感じるようになりました。

 ドラクエ世代の人は、「石の上にも三年」的に頑張ることが大事であり、世の中の事例を次々と取り入れるだけでは猿真似になってしまい、「自分のやり方」を見いだせないのではないか?と考えがちですよね。

 しかし実際にやってみると「大量に集めた事例」と「自分なりの工夫」は脳内で化学反応を起こします。