
経営コンサルタントの倉本圭造氏によれb、日本は社会的に「ドラゴンクエスト(ドラクエ)型」であり、それが現在の経済状況に影響を与えているという。また、一方で世界は「ドラクエ型」から「エーペックス(FPS)型」になっているのだとか。両方の視点を駆使した新しい活路を倉本氏が提案する。※本稿は、倉本圭造『論破という病「分断の時代」の日本人の使命』(中公新書ラクレ)の一部を抜粋・編集したものです。
「ドラクエ型」ゲームの世界観から
距離を置きはじめた日本のZ世代
「競争のやり方が変わってしまった」という現象について、わかりやすい例として、私はテレビゲームに例えて「ドラクエ型からエーペックス(FPS)型へ」という説明をするようにしています。
『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』など、海外から「JRPG」と呼ばれる日本のロールプレイングゲームは独自の文化を持っているといわれ、男女問わず30代以上の日本人の精神性に大きな影響を与えていると思います。
その特徴を端的にいえば、1ヵ所でとにかく地道に“レベル上げ”をしていればそのうち無双できるというゲームシステムです。
一方で、日本でも若いZ世代の人たちは徐々にこういう「ドラクエ型」世界観のゲームから距離を置く人が増えてきて、かわりに全世界的に人気なのは『エーペックスレジェンズ』や『フォートナイト』、『PUBG』といった「ファーストパーソン・シューティング(FPS)」というタイプのゲームです。
これらは特定のマップ内で銃を撃ち合うゲームで、キャラクター能力値の差で勝負がつくというよりも、ただただ攻撃を避けながら相手の位置を感知し、すかさず狙って撃つというプレイヤースキルがカギとなっています。