「仕事ができる人」と「できない人」で決定的に違う「休憩の取り方」とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

仕事が速いリーダーには、時間管理においてさまざまな共通点がある。たとえば、休憩の取り方や始業開始前の過ごし方にも特徴があるという。独自のリーダーシップ論・マネジメント論を確立し、コンサルティングや講演・研修などを行っている吉田幸弘氏が、リーダーが身につけるべき時間管理術を伝授する。※本稿は、吉田幸弘『仕事が速いリーダー 仕事に追われるリーダーの時間の使い方』(あさ出版)の一部を抜粋・編集したものです。

休憩のタイミングは
「ひと仕事終えた時」でいい?

 Tさんは、休憩をとる基準を「1つの仕事が終わったとき」としていました。複数の部署のリーダーを務めていることもあり、手がける仕事の内容が多様で1つ1つの仕事の関連性が薄いことから、仕事を終えるたびに気持ちも脳もリセットできると考えたからです。

 書類の確認など、さほど時間がかからない仕事であっても、終わるたびに小休止を挟み、反対に、企画書の作成などの時間がかかる仕事は、(気分が乗っている限り)ぶっ続けで作業をしてから休憩をとっていました。

 中には2、3時間かかる仕事もあり、こうした手のかかる仕事を終えたあとの休憩は「やり遂げた」という充実感とともに過ごせるため、Tさんはこの休憩方法をとても気に入っていました。ただ、「仕事を中断するのは切りのいいところまでやってから」と自分に課してしまうため、仕事が思うように進まないと、だらだらと作業を進めることになってしまいます。実際、Tさんは「気づいたら就業時間を超えていた」「気づいたら終電だった」ということがよくあるそうです。

 私自身、原稿を執筆したり研修のレジュメを作成したりするときは、集中して3時間ぶっ続けで仕事をすることがあります。

 しかし、切りのいいところまで仕事を終わらせてから休憩すると、「今日は頑張った」と満足してしまい、次の仕事に取りかかろうという欲求がなくなって、再開するのが難しくなってしまうことがあります。あるいは、再開できてもペースダウンになることもあります。

 いわゆる燃え尽き症候群状態になるのです。

 また、「切りがいい」というのは、自分で決めることになるので、「もっと良いものができるのではないか」という考えにとらわれ、「高すぎるもの(完璧)を追求」し続けて終えられなくなったりすることもあります。私も会社勤めをしていた頃は、この状態に陥って、よく業務時間外労働になっていました。

なぜ中途半端な状態で
休憩に入るのか

 一方、仕事が速いリーダーUさんは、どんなに集中していても90分経ったら強制的に休憩をとるようにしています。

 仕事がどんな状態であっても、90分経ったら手を止めるのです。

 これは、集中力が持つのが15分の繰り返しであることに起因しています。

 仕事によって集中力の違いは出てきます。反復作業を繰り返すような仕事は短時間集中して休むというやり方がいいのですが、クリエイティブな要素が必要な仕事をする人の中には、せっかく乗ってきたと思ったら休憩というのはかえって効率が悪いと考える人もいます。