ドラマ開始後すぐの
永野芽郁「文春砲」の影響

 実際に1話と2話では、政治家の思惑で報道内容が左右される現実や、その政治家との駆け引き、スポンサーの意向を気にする編成部との兼ね合いなどが描かれた。

 ドラマだから誇張されているとはいえ、広告・編成と報道制作の軋轢は実際にあるであろうし、政治家による報道への圧力も想像しやすい。突飛なストーリーではあるが、「これより地味で複雑な事態が現実で起こっていそうだ」と思わせるだけの現場感はあった。

 しかし続く3話・4話では、実際の事件の「真相」解明部分にストーリーの大半が割かれた。報道の番組制作のジレンマというよりも事件の真相は何かに重きが置かれており、設定が報道局でなくてもいいように感じられるところが残念だった。

 3話目では若手ADである本橋(道枝駿佑)、4話目では報道局長の海馬(岡部たかし)が報道される事件の中心にいる人物と近しい設定となっている。ドラマにおいてそれぞれのキャストに見せ場を作るために仕方のないことなのではあろうが、この関係性あっての真相解明であって、ご都合的に見えてしまった。

 もちろんまだ4話目であるので、これからの展開がどうなるかわからない。個人的には、昨年来から盛んに「オールドメディア」と揶揄された大手局の報道に対するドラマの中で切り返しを見たい。

 また、進藤は写真週刊誌のカメラマンをうまく自分の手先に使っているように見え、やはり「マスコミ」の中ではテレビ局が王様なのだという意識があるようにも感じられる。現実ではさまざまなスクープを写真週刊誌が報道し、一部の報道についてはそれこそ「スポンサーの意向」や、タレントの所属事務所との関係を気にしてテレビ局が取り上げないことに視聴者も気づいている。

 ドラマが始まってすぐ、文春にスクープされた永野芽郁の「不倫」報道がまさにそれである。せっかくなのだから、このあたりにも切り込んでくれたら面白いのだが。

 進藤が口にするセリフが「毎日がエイプリルフールだと思え」だが、ドラマ以上の事態が現実に起こってしまったように見える。