10年前のSTAP細胞騒動を
思い起こさせる内容も
3話では、万能細胞を発見した若い女性研究員・篠宮が不正を問われるストーリーだった。10年ほど前のSTAP細胞騒動を誰もが思い出したであろうし、この研究員をドラマで見ることが少なくなってしまったのん(本名・能年玲奈)が演じたことも話題になった。
ネタバレになってしまうが、実際に篠宮の研究室で不正はあったものの、篠宮はそれに直接関与していなかった。そして、不正を誘導した人物が糾弾されて終わりかと思いきやそうはならず、乏しい研究費の中で業績を上げることを求められる研究者たちの苦悩が背景にあることに焦点が当たる報道を進藤が行った。
これは、悪者とされた特定人物の吊し上げに偏りがちな部分があった過去の報道への反省を踏まえ、本来の問題点を深掘りする理想の報道の姿を提示したように見えた。
篠宮の指導教授が女性であったため、ありがちな「女性の敵は女性」の展開になりそうなところを、のん演じる篠宮が「教授は男性社会の中で差別にあって悔しくて泣いたこともたくさんあったって」「だから女の足を引っ張る人から私を守るために……」と語った場面では時代の変化を感じた。
また、進藤の娘役を演じる堀越麗禾(市川ぼたん)の落ち着いた佇まいが、出演シーンは少ないながらも存在感を感じさせて好ましい。ヒコロヒーが演じている謎の清掃員が、今後の展開に絡むのか絡まないのかも気になる。
SNSの反応を見ると脱落した人もいるようだが、筆者はとりあえず最終回まで見届けようと思っている。