登場人物のキャラ付けが
失敗している?

 また、各登場人物のキャラクターがいまいち魅力的に見えないことが残念だ。これは俳優の問題というよりも、役柄との相性や、脚本・演出の問題が大きいように感じる。

 阿部寛はクセのある主人公を演じさせればピカイチであり、日曜劇場でも常連である。嫌味なキャラでもなぜか憎めない演技に定評があるが、今回の場合、今のところ視聴者が感情移入できるような「隙」があまりない。

 視聴者の感情が追いつく前に、進藤のひらめきや行動力によって事件の真相がスピーディーに明らかになってしまう。単に「仕事ができるけど、それを鼻にかけるだけの嫌なヤツ」に見えるので、この点も今後の展開に期待したい。

 永野芽郁は、若いながらも総合演出を務める女性・崎久保華を演じている。この崎久保は、今のところ進藤に振り回されるばかりで、出演頻度は高いもののあまり見せ場がない。展開のためのセリフが多くどういう性格なのかキャラ付けがはっきりしないため、キャラクターに感情を寄せづらい。

 進藤、崎久保ともに何らかの過去があるようで、もちろん後半で見せ場があることは充分に考えられるのだが、前半部分でのつかみはそこまで成功していないように感じた。巷では文春砲によって今後永野の出演シーンが減るのではないかという予想もあり、もしそうなると、かなり印象の薄いキャラクターになってしまうのではないか。

 とはいえ、見どころがまったくないかと言えばそんなことはない。2話のテーマとなったオンライン賭博は今年に入って複数のタレントやスポーツ選手が絡む大きな問題となっているし、4話目の「盗撮サイト」も未成年がターゲットにされることもある大きな社会問題の一つである。