「真面目に仕事をしているのに、なぜか上司に評価されない…!」
あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。

メモを取る新人は出世する
皆さんの新人時代を思い出してみてください。メモやノートはとっていたでしょうか。多くの人はメモをとっていたと思います。僕が勤めていたメガバンクでも、新人の頃は覚えるべきことが多すぎて、いつも大量にメモをとっていました。
では、実際に、メモを仕事のたびに振り返って読み直すといったことはしていたでしょうか。メモを読み返す人はそこまで多くはいないのではないかと思います。一年前にとった仕事のメモを瞬時に見つけることも難しいでしょう。
これだけ聞くと、メモをとる意味はあまりないのではないかと考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、メモは、「メモを取る行動」それ自体が出世に結びつくのです。今回は、特に新人や若手にとってメモがいかに重要なのかを解説します。
「新人がメモを取っている」ことに人は満足する
あなたが新人に教える立場になって考えてみてください。あなたの貴重なアドバイスを全て新人がメモをしていなかったらどうでしょうか。きっと不快に感じるのではないでしょうか。仮にその新人がとても優秀で、言われたことを一言一句記憶できる人だったとしても、あなたのモヤモヤは解消されません。
逆に、メモはとてもしっかり集中して書いているのに「全くメモの復習をしない新人」だったとしても、メモをとっていることにあなたは満足するはずです。
ここでお伝えしたいのは、ビジネスパーソンはこう言った「しょうもない表面的で本質的ではないこと」を気にする生き物だということです。つまり、新人や若手にとって、先輩から言われたことをメモするという行為はメモの内容ではなく、その行動自体に大きな意味を持っているのです。
「サイレント減点」を回避する
ちなみに、これはその先輩に対してだけでなく、その一連の流れが視界に入ってくる周りの同僚たちにも影響します。熱心にメモをとる新人と全くメモをとっていない新人のどちらが好印象かは一目瞭然ですから。
いかがでしたでしょうか。仕事は、本質だけではなく、表面的なものも重視される特別な競争環境です。本質的な仕事の力量があっても表面的な減点によってあなたの評価が下がってしまうリスクがあります。
是非このようなサイレント減点を回避することであなたのサラリーマン人生のコスパを高めていってください。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)