米著名投資家ウォーレン・バフェット氏は、バークシャー・ハサウェイの支配権をグレッグ・アベル氏に譲り渡すことを一体いつ決断したのか――。はっきりとは分からないという。しかし、バフェット氏は近年、自身の後継者に任命された人物が毎日どれほど多くのエネルギーを仕事に注いでいるかを間近に見てきた。同時に、自分自身については衰えを感じていた。2人は異なるスピードで働いてきた。その傾向はますます強まっていた。「何か特定のきっかけがあったわけではない」。現在94歳のバフェット氏は、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューでこう語った。「年を取るということは、ある日を境に起きるわけではない」バークシャーの株主や同社を注視する人たちは、何十年にもわたって米実業界や金融界の重鎮だったバフェット氏の代わりが、他の誰かに務まるのだろうかとずっと思案してきた。だが、バフェット氏は90歳の誕生日を過ぎると、多くの人が人生のもっと早い段階で受け入れるようになったものを感じ始めた。自分の年齢だ。