【心がしんどい人へ】「もう無理…」をそっと癒す2つの方法
「本を読むのが速い人の秘密」がわかった!
読書中、私たちは文字を脳内で“音”に変換し、その音で理解しています。ポイントは「音の理解速度」。ここを鍛えれば、読書は一気に変わります。本連載は、耳から脳を鍛え、速読力を高める「速聴トレーニング」をお伝えするものです。脳を鍛えることで、理解力、記憶力、集中力もアップします。そのノウハウをまとめた『耳を鍛えて4倍速読』の刊行を記念し、本記事を配信します。

【心がしんどい人へ】「もう無理…」をそっと癒す2つの方法Photo: Adobe Stock

「もう無理…」と思ったときに効く“2つの回復術”

 本日は「ネガティブ感情との向き合い方」についてお伝えします。

 不快な気持ちになったあと、どうやって切り替えたらいいのでしょうか。気持ちが切り替わらない状態が続くと、行動が止まるだけじゃなくて、体調が崩れることもあります。私は落ち込みがひどいと、風邪をひいたり頭が痛くなったりして、寝るだけになってしまうこともありました。だからこそ、「ネガティブをどう扱えばいいか」をずっと探してきたし、今回のテーマにはっきり言えることがあります。

 方法は大きく2つ。1つは、今この瞬間に切り替えるための“応急処置”。もう1つは、根っこから楽になるための“抜本処置”。状況によって両方を使い分けましょう。

方法① ポジティブな言葉を見返す

 まず応急処置のほうから。やってほしいのは、「良かった言葉をメモして、見返す」です。褒められた言葉、応援された言葉は、受け取った瞬間、とても嬉しいですよね。よし、頑張ろうって思えたり、意欲が湧いたりする。だけど、良い言葉って実は“その場限り”になりやすいんです。

 一方で、悪い言葉は違います。悪い言葉って包み込むものじゃなくて、棘とか刃物みたいに刺してくる感覚に近い。刺されたら痛いし、抜いたあともじわじわ続く。抜かなければ、いつまでもチクチクする。どこかに触れるたび、思い出すたび、同じところが痛む。この「悪い言葉のしつこさ」に対抗するには、こちらも意識して“温かさ”を作りにいかないといけない。

 そこで私は、嬉しかった言葉をメモして保存しています。「嬉しかった」「励みになった」と感じたものを淡々と残す。ネガティブな言葉に刺されて頭がいっぱいになったとき、そのメモを一つずつ見返すのです。

 するとお風呂に入ったように、外側に温かい気持ちが戻ってきて、呼吸が整っていく感覚がある。棘を抜いているわけではないけれど、痛みが薄れて、まず動ける状態に戻れるんです。ここがポイントです。この応急処置は、今にも倒れそうなときに、まず立てる状態に戻すための方法といえます。

方法② 感情に名前をつける

 そして2つ目が抜本処置。「感情に名前をつけてあげる」です。私は最終的にはこっちを優先します。ネガティブな感情は、ふわっとしたままだと長引きます。「落ち込んだ」「嫌だった」「ムカついた」で止まると、感情が霧みたいに広がって、出口が見えなくなる。だから、何が起きたのか、どう受け取ったのか、どこが傷ついたのかを、ちゃんと文章にして確定させます。

 たとえば「頭が悪い」と言われて落ち込んだなら、「頭が悪いと言われて、馬鹿にされたと感じた」「軽んじられたのが悔しかった」「その扱いが許せなかった」みたいに、具体的に言い換えていくんです。ここまで言語化すると、自分が何に反応しているのかが見えてきます。

 次に、その感情に対して「これから自分はどうするか」を決めます。ここが棘を抜く作業です。「嫌だった」で終わらせず、「じゃあ今後はどうする?」まで持っていきましょう。

具体的に何をすればいい?

 例えばSNSで言われたならミュートする、距離を取る、見ない時間帯を決める。対面なら、その人と関わる頻度を落とす。仕事なら、言われやすい状況を分析して改善するか、どうしても変えられないなら環境を変える準備をする。大事なのは、原因が自分でコントロールできるものか、相手側の問題か、環境の構造の問題かを切り分けることです。自分にできる改善があるならやる。自分ではどうにもならないなら、別の選択肢を用意する。こうして「対策」という形に落とし込めた瞬間、ネガティブは“ただの痛み”から“扱える情報”に変わります。悩みが情報になると、人は動けるようになるんですよね。

 いま、ネガティブな感情に悩んでいるなら、まずは応急処置として「良かった言葉を見返す」。それで呼吸を整えて、動ける状態に戻す。その上で抜本処置として「感情に名前をつける」。何が起きて、何が嫌で、これからどうするかまで決める。これを続けていくと、人生が静かに楽になっていくでしょう。

(本原稿は『耳を鍛えて4倍速読』の一部抜粋・取材加筆を行ったものです)