中東における存在感が、中国、韓国、インド以下である日本には、中東諸国から石油が入ってこなくなる。そんな日が来てもおかしくありません。だからこそ、日本が取るべきは全方位外交です。

石田和靖 著
アメリカにべったりでは、新しい経済圏から総スカンを食らってしまう可能性がある。アメリカとほどよく付き合い、アメリカと仲がよくない国ともきちんと関係値を高めること。説明してきたように、中東の「これから」は、世界情勢を鑑みたときものすごく大きな意思決定に関わってきます。
中東のキープレーヤーが次々と脱アメリカを掲げていることは、歴史的に見ても大きな変革期を表していると言っていい。その中で、日本はどうすればいいのか。翻って、僕はここにこそ日本の成長の可能性があると思っています。
中東は、ヨーロッパとアジアとアフリカの大陸のつなぎ目にある重要なエリアです。アメリカのプレゼンスが急速に弱まり、中国やロシアが台頭する。これまでの中東の100年に鑑みれば、考えられなかったことが起こり始めています。日本は、外交的にも経済的にも、これからを視野に入れた新しい関係性を構築することが急務なのです。