ですから、わたしが患者に食事療法のアドバイスをするときは、極端な考え方に陥らないよう伝えています。特定の種類の主要栄養素を排除すれば、不安症を治せるなどということはないのです。脂質や炭水化物を0か100かで考えたりはしませんが、とはいえ、主要栄養素のバランスと質がどうでもいいというわけではありません。
脂質を軒並み悪者扱いする時代が終わったのは喜ばしいですが、健康的な脂質をとりつつも、不健康な脂質を減らすか排除するのは重要です。炭水化物についても同じです。炭水化物をカットしたからといって、必ずしも心穏やかになれるとは限りませんが、炭水化物にも避けるべきものと優先してとるべきものがあります。

ウーマ・ナイド 著
タンパク質に関しては、ヴィーガンの人々が、動物性タンパク質を全身全霊で避けるべきと声高に主張する一方で、肉をよく食べる人々は、植物性の食べものだけでは真に健康的にはなれないと主張します。ですが実際は、どんなタンパク質をとるか、きちんとした知識をもとに意識的に選択すれば、ヴィーガンだろうと肉食だろうと、不安を軽減することは可能です。
SNSや朝の情報番組を見たり、友人や家族と食べものについて話し合ったりするだけでも、熱の入った、食い違う主張にそこかしこで遭遇し、あっという間に不安に駆られてしまうかもしれません。
しかし主要栄養素をしっかり理解すれば、脳と体、そして不安解消のための、最適な食事を判断できるようになるでしょう。