
ダイエットを決意してもなかなか痩せない、痩せてもすぐリバウンドしてしまう…など悩みを抱える人は多いが、そもそも痩せている人と太ってしまう人には決定的な違いがあるとパーソナルトレーナーの増戸聡司氏は言う。努力しているつもりでもダイエットが成功しない人に足りないものとは――。※本稿は、増戸聡司『ダイエットは習慣が9割 決定版』(リチェンジ)の一部を抜粋・編集したものです。
モチベーションだけで
ダイエットを成功させるのは難しい
「ダイエットで大切なのは、強い意志やモチベーションだ」
「私は意志が弱いからダイエットに失敗した」
多くの人がダイエットに対してこんなイメージを抱いているのではないでしょうか?
確かに、世の中には、意志の力によって短期間で減量を成功させている人がいます。おそらくそういう人はアスリートや俳優など、特殊な環境にいるケースが多いでしょう。
しかし、彼らもその体型をずっとキープしているわけではありません。試合や撮影が終わればリバウンドする前提での短期決戦であり、また、プロとして仕事でやっているからこそ、強い意志での減量を成功させているのです。
ですから、一般の人がモチベーションに頼ってダイエットを頑張りつづけること自体が不可能に近いことです。
もし、あなたがこれまでのダイエットの失敗を「意志が弱いから」と思っているのであれば、それは間違いです。それに、もし意志が強すぎる人が不適切なダイエットを無理して続けると、健康を害するだけでなく摂食障害に陥ってしまう恐れもあります。
また近年は、ダイエット目的の遺伝子検査も広がってきています。そのため「太るのは遺伝だ」と思っている人もいるかもしれません。
ですが最近の研究では、遺伝子にはそれぞれスイッチがあり、生活習慣によって発現のオン・オフが切り替わる仕組みがあることがわかっています。
遺伝子検査の鵜呑みは危険
栄養が偏るとリバウンドの原因に
遺伝子検査では、「糖質で太りやすいタイプ」や「脂質で太りやすいタイプ」などという結果を伝えてくれるものもあります。しかし、この結果を鵜呑みにして、糖質や脂質を極端に減らすのは危険な行為です。糖質も脂質も摂り過ぎだけでなく、減らし過ぎも体調不良やリバウンドの原因になってしまいます。
また、遺伝子検査の結果から「あなたには○○のサプリがおすすめ」などと紹介されることもあります。もちろん、そのサプリを飲むだけで痩せることはないので、「遺伝子検査ビジネス」といったものにも気をつける必要があります。
遺伝子以上に大きな影響を身体にもたらすのが習慣です。
あなたが今太っていることは、あなたの意志の弱さや遺伝が大きな要因ではありません。生活習慣や環境の積み重ねによる結果です。