「読むだけ」で得られる圧倒的なアドバンテージ
難関中学や大学入試の問題文を“読むだけ”で取り入れる学習法は、国語力の向上という観点でいえば、非常に理にかなっています。
なぜなら、出題者が「読解に値する」と選び抜いた文章ばかりが集まっているからです。
それらを読むだけでも、思考の深さ・語彙の豊かさ・論理の運び方など、あらゆる角度から刺激を受けられるのです。
「読むだけ」で解く以上に深い理解が得られることも
実際に、問題を解こうとすると「正解を出すこと」に意識が向いてしまい、文章全体の構造や言葉の選び方には目がいかなくなりがちです。
でも、読むだけなら、「なぜこの表現を使っているんだろう?」「この言い回しはどういう効果があるのか?」といった“読解の本質”に集中できるのです。
これは、点数には表れにくい“本物の国語力”を育てるための絶好の訓練になります。
「すでに解いた問題」も、もう一度“読むだけ”で効く
もし、すでに解いたことのある問題集があるのなら、今度は「問題を解かずに読むだけ」で再度取り組んでみてください。
答えを知っているからこそ見える文脈の構造、伏線の張り方、言葉のニュアンス――そうした要素に改めて気づくことができるはずです。
同じ素材でも、読み方を変えるだけで得られる学びの深さは大きく変わるのです。
教科書・問題集は、最高の「語彙ジム」
こう考えてみてください。教科書や問題集は、“日本全国の優れた言葉のトレーナーたち”が設計したジムです。そこにある文章を、重すぎず軽すぎないダンベルのように扱いながら、「読むだけで鍛える」ことで、日々着実に国語力という筋肉を育てていけるのです。
つまり――教科書や問題集を「読むだけ」こそ、最も効率のよい国語力トレーニングなのです。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。