頑張っているのに、なぜか伸びない。そんな感覚を抱いたことはないだろうか。本も読んでいるし、情報収集もしている。それでも、成果につながらない。成長している実感が持てない。そう感じている人は多い。
では、どうすればいいのか。『会社から期待されている人の習慣115』の著者であり、815社・17万3000人の働き方を分析してきた越川慎司氏と、『仕事ができる人の頭のなか』の著者であり、累計195万部を突破したベストセラー作家の木暮太一氏による対談に、その答えがあった。それは、特別な才能でも難しいスキルでもない。むしろ、誰にでもできる。しかし、多くの人ができていない“シンプルすぎる習慣”だった。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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「活躍し続ける一流」がやっていること
越川慎司(以下、越川):木暮さんは出版コンサルタントの仕事をしていますが、出版は限られた人だけがやるべきことだと思いますか?
木暮太一(以下、木暮):これは断言できます。出版は、みんな絶対にしたほうがいい、です。
理由はいくつかあって、まず社会に与えるインパクトが格段に大きくなります。他者からの評価や見られ方も全然変わってくる。
でもそれだけじゃなくて、自分の中で考えが整理されて、ちゃんと形になっていくんですよ。
本を出さないと、固まっていないセメントみたいな感じで、ドロドロしたまま時間が過ぎていく。本を出すことでそれがブロックになって、どんどん積み上がっていく感覚があります。
まだ修行中だという方も、出版を目指すことで自分の中のいろんなものが固まってきて、それが踏み台になって新しい自分が見えてくると思います。
越川:「固まっていないセメント」という表現、すごくわかりやすいですね。
書くことで自分の思考が整理されていくというのは、多くの発信者が共感するんじゃないかと思います。
木暮さん自身は、最新刊『仕事ができる人の頭のなか』を含めて、累計195万部を超えていますが、毎回毎回ネタが尽きてくる感覚はないんですか。
木暮:不思議なことに、一冊書き終わると次の本のネタが自然と生まれているんですよ。
書いている最中に生まれるというよりも、書き終わったときに湧き出てくる感じです。
越川:それはどういう仕組みなんでしょう。
木暮:自分でもいろいろ考えてみたんですが、私の書き方でいうと、最終的に本になるのを100だとすると、200の原稿を書くんです。倍書く。
そして200を書くために、500の勉強をする。500勉強して200書いて、それを100に凝縮して出す。
となると、勉強しても使わなかった300と、書いたけど捨てた100がある。これがもったいないなと思いながら毎回捨てているんですが、この中から「次はこういうことを書きたい」「これだったらこういうことが言える」というアイデアがどんどん出てきてしまうんですよ。
捨てるのがもったいないから、次のテーマが生まれてくるという感じです。
越川:つまり一冊書くために、普通の人が一冊書くエネルギーの5倍をかけているということですね。その量が質を生む。
木暮:そういうことだと思います。
しかも私の書き方の特徴として、その500の勉強の中に、あまり関係なさそうなものも意図的に含めるんです。漫画とか、映画とか。
今回の『仕事ができる人の頭のなか』を書いたときも、ドラゴンボールを読み返しましたし、スラムダンクも読み直した。さらに、読んだことのない、自分的にはあまり興味が持てない漫画も読んでみたりしました。
一流は、「興味のないこと」も吸収し続ける
越川:その話を聞いて、私が『会社から期待されている人の習慣115』でとりあげた習慣を思い出しました。
AIの使い方に関する習慣なんですが、優秀な人たちは、あえて「自分が興味のないもの」に関する情報をAIに教わっていたんです。
なかには、あえて興味のない分野をAIから学ぶ習慣を持つ人もいました。
たとえば、ある人材サービス企業の役員は、毎週日曜の夜に30分間、AIに教わる時間を設けているといいます。
量子コンピュータ、宇宙ビジネス、バイオテクノロジー、現代アート……。自分の専門とは無関係のテーマについてAIに尋ね、知識を得ているそうです。
――『会社から期待されている人の習慣115』より
この習慣がある人は、上司だけでなく、同僚や他部門の社員も含めた360度評価の結果が20%も高かったこともわかりました。
目的や興味にとらわれずに、つねに新しい情報を吸収し続けることが、長く支持され、活躍するために大事なことなのかもしれませんね。
(本稿は、『会社から期待されている人の習慣115』の著者・越川慎司さんと、『仕事ができる人の頭のなか』の著者・木暮太一さんによる対談をもとにした書き下ろし記事です)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。
木暮太一(こぐれ・たいち)
言語化コンサルタント・作家・(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事
著作累計68冊、累計195万部突破。14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。







