米同盟諸国の関税軽減いつ 米中の休戦よそにPhoto:The Washington Post/gettyimages

 米国は、地政学上の最大のライバルとの貿易休戦を記録的な速さで成立させた。しかし、長年にわたって同盟関係にある国・地域との合意取りまとめは、どちらかと言うと難航している。

 ドナルド・トランプ米大統領が4月2日にほぼ全ての輸入品に対する「相互」関税を発表したのを受け、米国は交渉の焦点となる18の主要貿易相手国・地域のリストを作成した。

 しかし、英国との迅速な合意や、中国との関税軽減の合意を除けば、これまでのところどの国・地域も、痛みを伴う米国の輸入関税の軽減をもたらすような打開策を見いだしていない。

 日本、韓国、欧州連合(EU)などリストに載っている最大の標的の一部にとって、障害の一つは自動車だ。米国はこれまでのところ、輸入自動車に課されている、壊滅的影響を及ぼす25%の関税を撤回することに消極的だ。この関税は特にこれらの同盟国・地域に打撃を与えている。

 英国は米国の交渉担当者との迅速な合意の中で、自動車関税の引き下げを実現させた。ただし、対象となるのは毎年輸入される自動車のうち最初の10万台だけで、これは自動車製造大国の日韓やEUが毎年米国に輸出している台数よりはるかに少ない。

 トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車は今月の決算発表の際、利益見通し悪化の原因として関税を挙げた。一方、16日に発表された統計によると、今年1-3月期の日本経済は縮小し、輸出の減少に対する脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りになった。

 日本の交渉責任者である赤沢亮正経済再生相は、日本が依然として、トランプ氏によって最近課されたすべての関税の撤廃を目指していると述べた。これには、自動車や鉄鋼に対するもののほか、各国一律に課される「相互」関税も含まれる。赤沢氏はこれらの関税について「極めて遺憾」だと述べている。