米国株はどれほど割高? 5つのグラフで検証Illustration: Daisy Korpics/WSJ; iStock (2), Pixelsquid (2), Getty

 米株式相場は、ドナルド・トランプ大統領の関税政策に伴う当初の打撃を吸収し、関税発表後の下げ幅を解消した。だがその結果、「一般的な指標で見ると、現在の株価は非常に割高」という年初の懸念が再燃している。

 ここ数年の大幅な株高を受けて一部のアナリストは2025年に入り、バリュエーションが高水準なため米経済に問題の兆しが浮上した場合に株価は特に崩れやすくなっている、との懸念を示していた。そして、株式の年初来リターンは債券をやや下回っている。株価が最近、反発したというのにだ。

 現在の株価がいかに割高で、それが今後のパフォーマンスにどのような影響をもたらす可能性があるかを検証する。

株価収益率

 株式の投資尺度は数多くある。最もよく知られているのは株価収益率(PER)だ。

 PERの一般的な使い方は、株価を、企業の過去12カ月の利益、アナリストが予想する今後12カ月の利益、あるいは「景気循環調整後利益(過去10年間の年間平均利益をインフレ調整したもの)」と比較することだ。S&P500種指数全体で見ると、これら三つの指標はいずれも、投資家が1株利益(EPS)に対して、これまでよりも高い価格を支払っていることを示している。