「勉強嫌いになった子ども」
彼・彼女に共通する点は
恥ずかしながら、私自身も中高6年間のほとんどを、そうした「勉強嫌い」な状態で過ごしていました。学校に行っても授業中はまったく話を聞かず、ずっと寝ているような毎日。まったく勉強せずに過ごしていました。
そのころ、母親に何度も言われた言葉があります。「そんなに勉強しないんだったら、私立の学校なんて辞めて、近所の公立中学校に行ったほうがいいんじゃないか」。子どもだった私は、そんなふうに言われるたびにとても傷つきました。しかし、今になってわかるのは、あのとき、母もまた私以上に傷ついていたのではないかということです。
高い学費や生活費をやりくりしてまで私立の学校に通わせていたのに、それを自分の息子が無駄にしてしまった…。それを目の当たりにした母の辛さや失望は計り知れません。母が私にあの言葉をかけたのは、言わずにはいられないほど追い詰められた気持ちだったからなのだろうと思います。
今では「本当に申し訳ないことをしたな」と素直にそう思えるのですが、当時の私は、残念ながらそういう気持ちになれませんでした。むしろ、母の言葉にさらに傷つき、ますます自分を追い込んでしまうという悪循環に陥っていました。このような状況は、私だけではなく、多くの「勉強嫌いになってしまった子どもたち」に共通することだと思います。
では、子どもが勉強嫌いになってしまう原因としては一体どのようなものがあるのでしょうか?
まず、非常にありがちな原因として挙げられるのが、親や先生から無理やり勉強させられることです。人間は、大人でも子どもでも、誰かから何かを強制されることに対して強い抵抗感を覚えるものです。
例えば、私たち大人も、上司から厳しく監視されながら、細かく指示を出されて仕事をするよう求められたら、きっとその仕事が嫌になってしまいますよね。子どもであればその気持ちはなおさらで、親や先生から口うるさく言われながらやらされる勉強は、楽しいどころか苦痛になってしまいます。