少人数の中小塾も
方針は千差万別!

 少人数制の中小塾だと、生徒に合わせて柔軟に対応してくれるので、大手塾でついていくのは学力的に心配、という子は、面倒見が良い中小塾を、お近くで探してみるとよいのではないでしょうか。

 なお、中小塾は必ず面倒見が良いか、というとそういうわけでもなく、ゴリゴリのエリート主義で、できない子を振るい落としながら、ものすごいスピードで進んでいく塾もあります。少数精鋭で、卒業生に対しての合格実績が抜群の塾は、卒業まで生き残れなかった子が多いというケースもあります。

 例えば、宮本算数教室などは有名ですね。入塾した子のうち、どれくらいの割合が最後まで生き残るのかを聞いておきましょう。もちろん、勉強が得意な子が、わかった上でそうした塾に飛び込んでいくのはアリです!

 逆に、面倒見の良さを売りにしている中小塾だと、成績下位の子たちに手厚くしすぎで、逆に上位の子がほったらかしにされる危険もあります。どんなカリキュラムで授業が進むのか、成績に差がある生徒をどうやって指導しているのかくわしく聞いてみてください。

 ちなみに、伸学会のケースだと『新演習』という、首都圏の中学受験生全体から見るとちょうどよいレベルのテキストを使用しています。このテキストは、SAPIXの教材に比べると進度はゆっくりで、内容も簡単です。

 ですから、勉強が得意な子にとっては物足りない内容になっています。そこで、できる子たちには、各科目担当が別に教材を用意して、ハイレベルな分野まで練習できるようにしています。ときには『中学への算数』のような、しっかりと難問が並んでいる本を購入いただくこともあります。

 進度の速いテキストを標準にして、ついてこれない子たちに「君たちはこっちの教材をやろうね」と簡単なものを渡すのは、本人たちのプライドが傷ついてモチベーションの低下につながります。それよりも、進度がゆっくりしたテキストを標準にして、余裕がある子たちに「君にはもっと楽しい教材をあげるよ」と追加で渡したほうが、名誉にもなってモチベーションアップにつながると考えています。