「頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが20万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

教え上手に共通する3+1のポイント
仕事を教えるのが上手な人には、必ず共通するパッケージのようなものがあります。
つまり、「このように教えると効果的だ」という自分なりの型を持っているのです。
今回はその教え方について、私が実際に意識しているポイントをお伝えしたいと思います。
まず押さえておきたいのは、以下の三つの要素です。
第一に、「何をするのか」を明確に伝えることです。
たとえば、「光回線を販売するための新規顧客向けの提案資料を作る」というように、やるべきことを端的に伝えるのが基本です。
これは誰でも行っていることですが、やはり最初のステップとして非常に重要です。
次に、「なぜそれをやるのか」を伝えること。
これが第二のポイントです。目的や背景を知ることで、その仕事の重要性が理解でき、相手が自発的に「もっとこうした方がいいのではないか」といった提案もしやすくなります。
つまり、自ら進んで取り組む姿勢が生まれやすくなるのです。
ここで注意すべきなのは、理由の伝え方を間違えないことです。
よく「君の成長のために」といった言い方をする人がいますが、これはあまり良くありません。
そうではなく、もっとシンプルで現実的な理由を伝えるべきです。
たとえば、「今、人手が足りないから君にお願いしたい」とか、「新しい部署を立ち上げるので、君に任せたい」といった具体的な理由の方が、相手も納得しやすくなります。
下手に相手のことを成長を願うなど「味付け」をせずに、本当の理由を伝えることが大事なのです。
第三のポイントは、「どこまでやるのか」を明確にすることです。
たとえば、「資料を作るだけでなく、プレゼンもしてほしい」、「最終的にはウェブサイトへの掲載までをお願いしたい」といった具合に、仕事の範囲や今後の展開を伝えておくことで、相手の意識が変わってきます。
もし「今回は資料作成だけでいいけど、将来的にはプレゼンやウェブ掲載まで任せたい」と伝えれば、相手は自分の成長の道筋として捉え、より前向きに取り組むことができます。
そして、さらに教え上手な人は、第四のポイントである「どうやるのか」の伝え方が違います。
つまり、資料の作り方など、具体的な方法論をすぐには教えません。
「光回線の提案資料を作ってね」と伝えるときも、「パワーポイントを使って、色はこの感じで、ストーリーはこうで…」と細かく指示するのは避けます。
なぜなら、それでは相手の成長の妨げになってしまうからです。
もちろん、初めての仕事であれば、必要な部分は教えるべきですが、すべてを最初から細かく説明するのではなく、相手の能力や経験に応じて、どこまで教えるかをコントロールすることが大切です。
これができると、相手は成長し、結果的に自分も楽になるのです。
ここが、真の意味での「仕事を教えるのが上手な人」の最大のポイントになります。
以上をまとめると、まず「何をするのか」を伝え、次に「なぜそれをやるのか」をシンプルに説明する。
そして、その後に「どこまでやるのか」、つまり今後の展開も含めて伝えることで、相手のモチベーションを高めることができます。
最後に、「どうやるのか」については、相手の成長を促すように、適切にコントロールして教えること。
これらを意識することで、相手も自分も成長できる、本当に効果的な教え方が実現できるのです。
(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者、西原亮氏が特別に書き下ろしたものです)