5本指の「靴」で
身体のセンサーが鋭敏に
脳よりもセンサーとしては遥かに繊細な皮膚からの情報などは、遮断していて過ごしているケースが大半である。これを、もっと繊細にしようと取り組んでいる。
この3年間の変化のひとつでもあるが、僕は靴自体を5本指タイプに替えた。5本指靴下は愛用している人もいるが、靴自体だ。履き始めた当初はそれぞれの指がまったく自由に動かず、スムーズに履くことすら困難であった。
しかし今では普通に履けるようになったし、まさに皮膚のセンサーの感度が高まったと感じている。芝生の上を歩いている際の気持ちよさは、一般的な靴のそれとまったく異なるし、足裏に重心をどのようにかけると身体がうまく使えるのか、前よりはわかるようになった。

佐渡島庸平 著
ヨガにも取り組むようになった。姿勢や身体の使い方を改めようと、背骨や腰椎(ようつい)の構造や骨格などを学び、それぞれがどのように動いているのか、どんな役割を持っているのか。さらには、呼吸の状態はどうなっているのか。トータルな身体の調子はどうなのか、など。現在の自分の身体の状態を観察し、把握できるようにもなった。
着実に、身体のセンサーが鋭くなっている感覚がある。そして身体感覚が鋭くなったのは、福岡は東京と比べると自然が豊かで、特に休日などはのんびりと過ごせることが多いことも一因ではあるとも感じている。
いわゆる霊感スポットに行くと、何だか嫌な感じがしたり、寒気を覚えることがあったりする。第六感であるが、それは言語化できていない身体感覚のことだと思う。
このような人が本来持つ身体感覚やセンサーを高めることが、自分自身の経験も含めて、観察力を高めることにも大きく影響していると、最近の僕は考えるようになっている。