
吉祥寺など都内5箇所に教室を持つ人気学習塾「VAMOS」の富永雄輔代表と塾業界30年以上のベテランであり、神奈川県の中学受験国語塾「中学受験PREX」の渋田隆之塾長による全6回の初対談。最終回は難しいと言われる「国語」の伸ばし方、保護者は塾とどのような関係を築けばよいのかについて取り上げる。(国語専門塾の中学受験PREX代表、教育コンサルタント・学習アドバイザー 渋田隆之、進学塾VAMOS代表 富永雄輔、 構成/ライター 奥田由意)
「国語は伸ばしにくい」
は本当なのか?
富永:さて、今回はこの対談の最後なので、私が個人的にとてもお聞きしたかった2点についてうかがいます。まず、算数は努力次第で点数が伸びやすいという印象があるのに対して、「国語はセンス、一番点数を上げにくい」と考えている保護者も多いですよね。
渋田先生は国語の指導を専門にされていますが、国語を伸ばすことは努力に見合うほど、今の言葉でいう「コスパ」「タイパ」がよくないと感じる方も少なくありません。
渋田:国語は算数のように「これができれば次に進める」という明確な階段がないので、保護者も子どもも「何をやったらいいのか」が見えにくい教科です。
確かに10〜12歳という年齢だと、精神年齢も発達段階もさまざまで、どれだけテクニックを教えても、元のベースとなる人間力がなければ「読めない」ということはあります。ただ、基本的には国語も必ず伸びると思っています。
富永:具体的にはどのような点に注意するとよいですか。
渋田:まず言語の扱いは赤ちゃんのときから日々、徐々に発達するものです。英語だって、ある日突然英検2級レベルの英語力が身につくわけではなく、時間をかけて正しい方向で学んでいけば必ず伸びますよね。精神年齢が低いとか、本を読まない環境といった弱点はあるでしょうが、それを補う方法はあります。