イランの核開発を巡る新たな合意に向けて、イランと米国は協議の枠組み策定を目指しつつ、重要な詳細は今後の交渉に委ねる意向だ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。イランの核開発計画についての政治的枠組みを目指すことは、米国がオバマ政権時代の2015年に結んだ核合意に先立ち、13年に暫定合意を交わした経緯といくぶん似通っている。13年の暫定合意には、対イラン制裁の一部緩和と核開発の制限が盛り込まれた。今回は、協議の枠組みを巡る合意に、双方が信頼醸成に向けて同様の措置を盛り込む兆しはみられない。ある米政府高官によると、最終合意に盛り込まれる要点について理解し合うことが目標だ。ただ、交渉を進める指針となる枠組みを目指すことを、イランが最終合意にコミットせずに核開発を継続する時間稼ぎに利用しかねないと、米国とイスラエルが懸念を深める可能性がある。15年の合意に至るには1年半に及ぶ厳しい交渉を要した。今後の協議が合意につながる保証はない。
米・イラン、核協議の枠組み策定目指す=関係者
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