ブラジルのサバンナ地帯の奥深くにある倉庫で、機械が赤土を処理し、電気自動車(EV)やスマートフォン、ミサイルの製造に不可欠な金属を含む白い岩石を生産している。だが、これらの鉱物について特に重要な点はその出荷先で、中国向けではなく米国向けとなっているのだ。中国では、世界のレアアース(希土類:民生・軍事技術に必要な磁石の主原料となる17種類の金属元素)の約70%が採掘されている。しかし、レアアースの供給確保に取り組む他の国々にとって、世界中で採掘されるレアアースの精製の90%を中国が占めていることが大きな懸念材料となっている。「中国は手ごわい競争相手だ」。カナダのアクララ・リソーシズのラモン・バルア最高経営責任者(CEO)はそう話す。同社は米国に建設予定の精製工場向けにレアアース鉱山を開設する。レアアース鉱石を個々の元素に分離する工場を米国のどこに建設するかを、8月までに決める予定だという。
レアアース生産施設、中国以外で続々建設
米国やブラジルなどの国々が、EVやスマートフォン向けの採掘・精製能力を拡大
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