「頭の硬い人」に限ってとらわれている、たった4文字の言葉とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。数々の成功者に接し、自らの体験も体系化し、「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。
コロナ後の生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。
『ゆるストイック』では、新しい時代に突入しつつある今、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、「私自身が深掘りし、自分なりにスッキリ整理できたプロセスを、読者のみなさんに共有したいと思っています」と語っている。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

【大丈夫?】「頭の硬い人」に限ってとらわれている、たった4文字の言葉とは?Photo: Adobe Stock

「予測できない世界」に慣れる

 現代は、何が起こるか予測しにくい「ランダムな世界」です。
 その中で生き抜くには、柔軟な対応力が欠かせません。

 状況が変わるたびに自分の行動や考え方を適応させる
 それでいて、長期的な目標を見失わない

 そんなバランス感覚が求められます。

 多くの人は、物事に「因果関係」を求めがちです。しかし、この4文字が、頭を硬くしてしまうのです

 すべてに明確な理由や答えを見つけようとすると、かえって視野が狭くなってしまうこともあります。
 ランダムな世界では、「こうしたら必ずこうなる」と考えすぎず、少しゆるく構えることが、自由な発想や柔軟な対応力を身につけるカギになります。

 予測できない変化が頻繁に起こるからこそ、その中に新たなチャンスも隠れています
「ゲーム化」にも共通しますが、柔軟に対応し、変化を楽しむようにすることで、思いがけない機会を見つけられるかもしれません。

 因果にとらわれず、ランダムな出来事を自然なものとして受け入れる
 そんな「ゆるさ」を持つことが、現代を生きるために重要なのです。

「ゆるストイック」に生きよう

 私はコロナ禍の約3年間、これからの10年、20年先を見据え、必要なスキルや知識を見極めることに集中しました。

 そして、不要な価値観を捨て、真に必要な知識を身に付けるべく、自らを見つめ直したのです。

 気がつけば自分は、「仮想現実」と「宇宙開発」という、まったく異なる分野の新たな専門家になっていました

 コロナ禍の前後では、自分の「強み」も変わり、まるで別人になったような気分でした

 そのときの私の行動が、まさに「ゆるストイック」を体現していました。

 コロナ禍が明けた今、周囲には社会の変化についていけず、早期引退を余儀なくされたり、「働かないおじさん」になってしまったり、ポジションを失ってしまった人たちを見ることが増えました

 なぜなら、指摘してくれる人がもう誰もいないからです。

 だからこそ、今の時代においては、「自分を律するストイックさ」と、他人と違う考えを許容し干渉しない、「ゆるさ」という、相反するような価値観を同時に持つことが強さに直結する。

 今こそ、「因果関係」にとらわれず、「ゆるストイック」に生きるべきなのです。

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)を上梓した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。