三流は「好きなこと」をやる。二流は「さらに得意なこと」をやる。では、一流はさらにどんなことをするのか。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。数々の成功者に接し、自らの体験も体系化し、「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。
コロナ後の生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、新しい時代に突入しつつある今、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、「私自身が深掘りし、自分なりにスッキリ整理できたプロセスを、読者のみなさんに共有したいと思っています」と語っている。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

三流は「好きなこと」をやる。二流は「さらに得意なこと」をやる。では、一流はさらにどんなことをする?Photo: Adobe Stock

何をすべきか?

 あなたが本当に集中しなければいけないことは何でしょうか。

 それは、「好きなこと」「得意なこと」「需要があること」が3つ重なる部分のことです。

 好きなことだけをやるのは三流です。そして、二流は得意ことをそれに加えます。

 その上で重要になるのが、「需要があること」です

「好きなこと」や「得意なこと」は大きく変わることはありませんが、世の中の「需要があること」は常に変わります

 そこで「好き」と「得意」に軸を置き、その後に「需要があること」を探る順番がいいのです。

 逆に、好きでも得意でもない分野で「需要がある」ことに飛びつくのは危険です。

 そこに継続的な努力を費やすことは難しくなり、心から楽しんでいる人と比べて、結果にも差が出てしまいます。

 さらに、もし「需要がある」という理由だけで取り組んだことがうまくいかなかった場合の人生はとても悲惨です。

 一方、好きで得意なことならば、趣味として楽しみながらやり続けることができ、結果が出なくても続けやすくなります

それでも成果が出ないなら?

 好きで得意なことを続けているにもかかわらずうまくいかない場合、競争のフィールドが「広すぎる」のが原因かもしれません

 そんなときは、独自性が発揮できるまでフィールドをさらに「狭める」のが得策です。

 たとえば、歌うことが好きで得意ならば、プロデビューにこだわらずYouTubeで発信するのもいいでしょう。

 それでも目立たないと感じるならば、ジャンルを絞り込んだり、フォーマットを変えたり、特殊な映像と組み合わせたり、あるいはVtuberとして活動するなど、独自のポジションを取れるまで工夫を重ねていきましょう。

 2つの要素で難しければ3つ、3つでダメなら4つを組み合わせ、「ちょうどいいサイズのニッチ」が見つかるまで絞り込むことが大切です

 最初のフィールドで「小さすぎること」を心配する必要はありません。
 特定の領域で独自性を発揮できれば、それを足場にしてより大きな展開を目指すことができるのです。

 それが見つかれば、あとは淡々とそれに向き合うことです。
 ゆるストイックに生きることができるでしょう

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)を上梓した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。