二流のリーダーは「部下に寄り添う」。じゃあ、一流のリーダーは？

2025年6月26日 7:10

「この本のおかげで出世できた」「チームのパフォーマンスが上がった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。今回は、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方を指南する。（構成／ダイヤモンド社・種岡健）

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「寄り添うリーダー」がなぜかうまくいかない理由

「寄り添うリーダーでありたい」
「部下の気持ちに共感する上司が理想だ」

　そう考えて努力しているリーダーは多いはずです。
　けれど実際には、「気を使いすぎて疲れた」「結局、部下がついてこない」という声も少なくありません。

　それはなぜか？

　答えは、“寄り添い”が目的化してしまっているからです。

一流のリーダーは、「線を引く」

　一流のリーダーは、部下の気持ちを理解しようとはしますが、
　感情に引きずられないよう“線を引く”力を持っています。

・必要以上に共感しない
・一緒に悩みすぎない
・冷静に判断を下すことを優先する

　つまり、「共感はするが、巻き込まれない」。
　この“距離感のプロ”であることが、一流リーダーの条件なのです。

感情ではなく、「役割」で接する

「自分も辛い時期があったからわかる」
「最近元気なさそうで心配だな」

　そんなふうに感じるのは自然なことです。
　でも、そこで“友達のような接し方”をしてしまうと、リーダーの役割がぼやけてしまうのです。

　一流のリーダーは、関係性より“目的”を優先します。
　役割として、その人に何を求めているか。
　そこを明確にするからこそ、信頼されるのです。

「寄り添う」は、“最後の手段”

　もちろん、寄り添いが必要な場面もあります。
　でもそれは、部下が限界を迎えているときや、重大なトラブルが起きたときなど、本当に必要なタイミングだけでいいのです。

　ふだんから感情に寄り添いすぎると、部下は自立するどころか、「察してもらうことが当たり前」になってしまいます。

一流は、“冷静に期待する”

　一流のリーダーがやっているのは、「適切な期待を伝え、距離を保つこと」です。

「あなたならできると思ってる」
「この仕事は君に任せたい」
「相談はいつでも受ける。でも判断は自分でしていいよ」

　このように、感情ではなく“任せる”という姿勢で信頼を伝える。
　それが、部下を自走させるリーダーの在り方です。

（本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです）

安藤広大（あんどう・こうだい）
株式会社識学代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計170万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』（ダイヤモンド社）がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。