
アニメーション作品『アンパンマン』チームの代表としてNHK連続テレビ小説『あんぱん』に出演した俳優であり声優・山寺宏一さん。出演に際して感じたことや、声の仕事と実写の仕事の違いにどう向き合っているか、聞いた。(聞き手・構成/ライター 木俣 冬)
朝ドラへの出演4回目
“七色の声”が美大の教室に響いた
「『あんぱん』の企画発表段階から、世間の皆さんが、『アンパンマン』のゆかりの声優・戸田恵子さんをはじめとして、山寺宏一さんらの出演を心待ちにされているのをひしひしと感じていました。どこかでベストのタイミングで出ていただきたいと思い機会を探っていました」
『あんぱん』制作統括の倉崎憲チーフプロデューサーはそう語り、『アンパンマン』とのコラボを実現させている。
これまで『アンパンマン』の声優はしょくぱんまんの島本須美、ジャムおじさんやめいけんチーズ、かまめしどん、カバおなどを担当する山寺宏一、バイキンマンの中尾隆聖が登場した。
とりわけ山寺が演じた座間先生は、嵩(北村匠海)のモデル・やなせたかしの恩師・杉山先生がモデルの重要な役だ。北村匠海や辛島健太郎役の高橋文哉との共演のみならず、第49回では松嶋菜々子演じる登美子との絡みなどが強い印象を残した。
朝ドラにはこれで4回目の出演となる山寺。七色の声をもつ声優として有名で、とくに新世紀エヴァンゲリオンの加持リョウジのような二枚目の声に定評がある。また、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にも出演し、俳優や司会など、多才に活躍している。
『あんぱん』初登場シーン(第26回)では、朝の情報番組『おはスタ』の決め台詞「おっはー」を模したような「おーはーよー」が第一声で、話題になった。