「大学受験」は10代における最大のイベントです。残念な側面でもありますが、いい大学にいけば、なりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本です。それほどまでに大学受験の持つインパクトは大きくなっています。そんな難しい時代でも「自分らしい大学進学」をするために書籍:『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』が発売されました。本書は、きれいごとを抜きにして、「大学受験とはどういうものなのか」「人生とはどういうものなのか」を考えることができる受験の決定版です。本記事では発刊を記念して著者である、びーやま氏への特別インタビューをお届けします。

受験生Photo: Adobe Stock

「大卒」でも差があるのはいいこと? 悪いこと?

――日本で学歴の話になる場合、学校名がかなり重視されます。どこの学校を出ていようが、「大卒」「高卒」などの分類は変わらないと思うのですが、どうしてなのでしょうか。

びーやま氏(以下:びーやま):大学全入時代であることが大きな原因だと思います。

 かつては「大学」は選ばれた人だけが行ける場所だったため、「大卒」というだけで、エリート扱いされましたが、現在は選ばなければ誰でも大学に行ける時代です。

 そのため、「どこの大学を出たか」までが重視されるようになったんだと思います。

――なるほど。でも、各大学に序列のようなものがあることによる弊害もあると思うのですが、その点はどう考えてらっしゃいますか?

びーやま:僕はネガティブなものだとは考えていないです。というのも、現在の大学序列は下を排除するというよりも、上を評価する意味合いのほうが強いからです。

――どういうことでしょうか。詳しく教えてください。

びーやま:大学の序列や格付けの話になる際、「この大学はFランだ!」「この大学の偏差値は40しかない!」とかそういった議論にはならないんですよね。

 最近だったら、理系の芝浦工業大はMARCHレベルなんじゃないかとか、明治はMARCHから上に抜けているんじゃないかとか。基本は上に上がっていく大学の話しかされないんです。

 ほかにも、「早慶はどっちが上か」とか「東大・京大・阪大に次ぐ旧帝大はどこか」とか、そんなのばかりです。

 これが、Fラン大学の序列とかに固執する世の中だったらかなり危険ですが、そうではなくて高いレベルで切磋琢磨し合うものとして格付けが機能しているのでいいのではないかと僕は考えています。