若い時の経験値を「長く」使える

二つ目は、努力の複利効果です。苦労をするということは、その分経験値が溜まり、成長するということです。若いうちにレベルアップするのと歳をとってからレベルアップするのでは仕事での高いパフォーマンスを発揮できる期間が全く異なってきます。

例えば、20代で本気でビジネス英語を勉強してそれ以降仕事で英語が使えるようになるのと、50代で同じように英語ができるようになるのでは、約30年分、仕事で英語が使える期間に差が生まれます。当然、仕事での評価のされ方も変わってきます。実際は「経験値」は英語のように分かりやすいスキルではないため分かりづらいのですが、若いうちに経験を蓄積していたほうが得たビジネススキルを仕事で活用できる時間も長くなるのです。

この「苦労が複利効果で効いてくる」ことが、「買ってでも」と言われる要因の1つでしょう。

苦労は「自分で考えて」決めよう

ここまで、ひたすら若いうちに苦労した方がいいと言ってきましたが、一つ注意すべきことがあります。それは、人から言われたから若いうちに苦労しようとするのではく、自分で考えて若いうちに苦労した方がいいという選択をすべきであると言うことです。

「人から言われたから、なんとしても苦労をせねば」という使命感で自分を追い込んでしまうと、人によっては体を壊したり、心を病んでしまいます。そうならないためにも、自分で考え、自分の心身と向き合いながら、自分に合った苦労の仕方をする必要があります。

いかがでしたでしょうか。最後に、相手に合わせた結果あなたが壊れてしまっても、誰もあなたのことを守ってはくれません。あなたを守れるのはあなただけです。僕がオススメするのは、「自分にとっては十分と思えるレベル」の範囲で「若いうちの苦労を実践していくこと」です。皆さんの考えもぜひ、教えてください。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)