手術中、麻酔がかかった患者を放置して肖医師が手術室を出て行った
昨年7月、日中友好病院で行われる予定だった手術でのことだ。肖医師は手術室に、6月から付き合い始めた女性インターン医師を、助手として招き入れた。すると、手術室担当の看護婦と激しい言い争いに。激怒した肖医師は麻酔で眠る患者を手術台に残したまま手術服と手袋を脱ぎ捨て、またインターン医師の手術服も脱がせてその手を取って手術室を出ていき、40分間戻ってこなかった……というのである。
こうなると、単なる痴話喧嘩やゴシップでは済まない。大変な医療事故である。
一般に、麻酔は患者に副作用をもたらす可能性があり、その手術の重大さ、患者の体質などの条件を考慮しつつ、継続時間を精確に計算して施される。胸部手術では全身麻酔が主流な分、患者の負担も大きい。なのにその手術が中断、それも40分も放ったらかしにされたらどうなるか。手術の途中で患者が目覚めてしまったとしても、局部麻酔で時々あるように「麻酔を足しましょう」などと簡単には言えないのが全身麻酔なのだ。
これは、病院としても大事件だった。事件が明るみになった後、肖医師はメディアのインタビューに答え、「あの看護婦はこれまで何度も私に食ってかかってきた。あまりの怒りでわたしは興奮して手が震え始め、メスが持てなくなった。落ち着くために手術室を出たのだ」と釈明。そして、手術室を出た後、上司に当の看護婦を交代させてくれるよう相談したと述べている。
だが、肖夫人(彼女も別の病院で眼科の副主任医師を務めている)の告発書には、肖医師が手術室を離れた後の手術室の混乱ぶりを伝えるSNSのやりとりのキャプチャも添付されていた。そこでは、「今、手術室に医師がいない!」という悲鳴に対して、室外にいるらしい関係者が「落ち着いてまず医師に連絡を取れ。患者の安全が一番だ」と声を掛けている様子が残されていた。