お題に対して瞬時におもしろい答えを導き出せる人は、目の前のフレッシュな言葉と脳内の記憶のパーツをうまく結びつける連想力に長けています。
Aという情報を提供されたら、関連する別の情報BやCを瞬時に思い浮かべ、Aと結びつけて別の形に転換することができるのです。こういう人は問題が発生してもクリエイティブな思考で取り組むことができますし、発想が多面的なのでアイデアも総じて斬新かつユニークです。
「~といえば」で繋げる
連想力→語彙力→国語力
要は「●●といえば□□」という考え方が習慣として身についているため、自分の中にある引っかかるものを、きっかけを合図に取り出すことに慣れているのです。
どんなワードを提示されても「~といえば」の流れで延々と繋げていける、いわば「といえば力」を身につける課題を、私は大学の授業で学生にやってもらうことがあります。3人1組くらいのチームを作ってもらい、「●●といえば□□」という連想形式で順番に、前の人の言葉を受けて言葉を繋いでいくのです。制限時間も5秒ほどに短く設定し、あくまで瞬間的に答えを導く練習として行ないます。
たとえば「アインシュタインといえば相対性理論」→「相対性理論といえばブラックホール」というように短時間で繋げていくわけです。ポイントはこじつけでもいいので、とにかく「繋げる」こと。「浮かばないからテーマを変えるね」と流れを切ってしまうのはアウトです。
単語の連想だけでなく、20秒ほどの話で繋げていくこともあります。前の人の話の中からひとつ言葉を取り上げて、「~といえば」で自分のエピソードを話します。5周ほどすると慣れてくれました。
こうした練習を飽きることなく繰り返していくと、やがてどんな無茶ぶりをされても、大概の言葉は別の言葉や表現に置き換えられるようになってきます。
国語力の基本は「考える力」と「伝える力」、そして「いい換える力」に大別されます。いい換えとは、ある言葉と別の言葉を比較して瞬時に置き換えることであり、語彙力が十分でないとできません。こうした力を養うための練習なのです。