
プレゼンなどで求められる「言語化力」は、限られた時間で印象的なワードを繰り出す「大喜利」からも学ぶことができる。また、教育学者の齋藤 孝氏によると大喜利が得意な人は、新たなビジネスを創造する力も備わっているという。※本稿は、齋藤 孝『最強の言語化力』(祥伝社)の一部を抜粋・編集したものです。
大喜利番組から学ぶ
プレゼンの言語化力
私はテレビのお笑い番組が好きでよく観るのですが、いわゆる「大喜利」における芸人さんのパフォーマンスとビジネスパーソンの言語化力には、共通点が多いと思っています。
どちらも「独自の視点」を「限られた時間」の中でアウトプットすることが必要ですし、聴く側の関心を引きつける「話し方」のスキルも求められます。
大喜利は短いセンテンスの中でピンポイントに「言葉選び」をしますが、これはプレゼンなどの場で印象深い言葉を効果的に打ち出し、説得性を高める行為にも通じます。さらに高段者になれば、会話にユーモアを交え、リラックスした空気の中で商談を進めることになるでしょう。
もっとも、笑いのスキルについては、一般人が迂闊に手を出すと“事故”にも繋がるので、よほど自信がある人以外はプロの真似をしないほうがいいかもしれません。
いずれにせよ、この2つには大きな共通点があるということです。
実際、芸人さんが番組企画などでパネルを使ってプレゼンをすると実に見事にこなしますし、言語化力が高いビジネスパーソンの中には、大喜利をやってみても上手だったという人も多いのではないかと思います。