発言するという積極的な態度こそが評価されるべき
以上が、企業が「優しさ」と「率直さ」のバランスを取り戻すための具体的な一歩である。優しい職場を否定するつもりはない。だが、優しさに甘えるあまり、発言責任(発言内容に対する責任ではなく、発言することそのものの責任だ)があいまいになってはならない。
「よい質問は心を開く」という講師の言葉は、今でも印象に残っている。
だが、私はこう言い換えたい。「聞かれなくとも自分から話す」。そして、発言するという積極的な態度こそが評価されるべきである。
「聞かれなければ話さない人」や「タイミングを待って自分の発言を印象づけようとしている人」よりも、「話すべきことであれば、聞かれていなくても語る人」が、組織にとってはかけがえのない存在である。そんな当たり前のことが、組織の常識になるべきだ。
(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山 進、構成/ライター 奥田由意)