「思い込み買い」は避けるのが鉄則
株価が上がると、「買っておけばよかったな」とつい思ってしまうものです。しかし、それで次の銘柄に根拠なく飛びついてしまっては本末転倒です。
あくまで自分のルールに従う。これが投資の基本です。
「いい決算が出た」という理由だけで飛びつくと、痛い目にあいかねません。だからこそ、柔軟な中にも「ルールを守ることの大切さ」を認識しておくべきです。
感情ではなく、あくまで事実と根拠に基づいて判断すること。それが結果として、長く利益を積み上げていくコツになるのです。
「TOB」は個人投資家にもチャンスがある
前述のTAKISAWAのように、TOB(株式公開買い付け)は、ときに思わぬリターンをもたらします。TOB発表後は、株価が上昇しやすくなります。
もちろん、TOBを事前に予測するのは難しいですが、「どの企業が狙われそうか」を日頃から考えておくことで、いざというときにすばやく動けるようになります。
大量保有には「覚悟」も必要
私は運よくTAKISAWA株を4万9000株保有していたため、大きな利益を得ることができました。しかし、これは決してたまたまではなく、「この会社なら伸びる」と信じて時間とお金を投じてきた結果ではないでしょうか。
株価チャートだけでなく、実際の製品やサービス、経営者の考え、財務状況などをじっくり見て、「これは本物だ」と思えた会社に、腹を据えて投資することが、長期的に見れば最もリターンが大きくなります。
「安いから買う」は間違いのもと
最後に、改めてお伝えしたいのは、「安いから買う」のは投資ではありません。TAKISAWAが1株1200円だったとき、私は「割安だから」というよりも、「この会社はきっとより評価される」と思って買っていました。
値段ではなく価値を見る。これが投資で勝ち続けるために必要な視点です。そうやって選んだ銘柄だからこそ、TOBのようなサプライズにもつながるのです。
※本稿は、『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。