「第二創業」を見抜くためのサインとは?
第二創業で再成長を遂げる企業には、いくつかの共通した兆候があります。ひとつは「経営陣の刷新」や「事業戦略の大転換」が行われたときです。
たとえば、M&A(合併・買収)や異業種への参入、大型IP(知的財産)の取得など、従来とは異なる軸で勝負し始めた企業は、注目に値します。
もうひとつは、「新規事業への先行投資」が見られるときです。一時的に業績が落ち込んだとしても、それが将来の成長への布石であるなら、投資家としてはチャンスとなります。
「過去の実績」ではなく「未来の絵」を見る
上場から5年以上経過した企業を評価する際に重要なのは、「いま何をしているか」ではなく、「これから何を実現しようとしているか」です。
とくに注目すべきは、以下のような企業です。
* 業界構造の変化をチャンスととらえている企業
* DX(デジタルトランスフォーメーション)やAIを自社事業に組み込もうとしている企業
* 既存の事業モデルを捨て、新たな顧客層を狙いにいっている企業
こうした“未来志向”の姿勢をもつ企業は、たとえ過去に業績が伸び悩んでいても、再評価のタイミングで株価が大きく動く可能性があります。
「第二創業株」の見つけ方
第二創業の可能性がある銘柄を探す際に、役立つ情報源があります。IR(投資家向け広報)資料や決算説明会の内容に注目してみましょう。以下のようなワードが出てきたら要チェックです。
*「新規事業に本格参入」
*「収益の柱を転換」
*「〇〇市場への再挑戦」
これらは、会社が第二の成長フェーズに入ろうとしているサインかもしれません。
投資家にとっての最大のメリットとは?
このような第二創業の初期段階で投資できれば、株価が2倍、3倍に跳ねる可能性があります。すでに“完成された”企業よりも、“再挑戦している企業”の方が、上昇余地が大きいのです。
とくに、時価総額が小さめの小型株は、ひとつのヒットで一気に株価が動く傾向があります。成長期待と話題性が合わさったとき、市場の評価は一変します。
数字より「変化の兆し」に目を向けよう
上場して5年以内の企業を狙うのは、確かに成功確率が高い戦略です。ただし、「第二創業」のような例外にこそ、思わぬ大化け株のチャンスが潜んでいることも事実です。
過去の数字だけにとらわれず、「何が変わったのか」「次に何を狙っているのか」に目を向ける視点を持つことで、他の投資家より一歩先のチャンスを手にできるかもしれません。
※本稿は『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。