会話の上手い人が例外なく使いこなしている技術がある。話題の書籍『対話するプレゼン』の著者、岩下宏一氏は、「アイコンタクトにもちょっとした秘訣がある」と言います。本記事では、プレゼンの場を「一方的に説明する場」から「対話の場」に変えることを提案した『対話するプレゼン』より、本文の一部を抜粋・加筆・再編集してお届けします。

【何気ないけど大切なこと】話し上手が必ずやっている「アイコンタクト」の隠れた裏ワザとは?Photo: Adobe Stock

特定の人に偏らず、一人ひとりを均等に見る

 複数の相手と話す際は、聞いている人全員を均等に見ることが重要です。

 たとえば、会議室で3人を相手に説明をしている場合、それぞれの顔に視線を向け、均等に目を配るよう意識します。

 プレゼン中などは緊張もあるせいか、無意識のうちに見る方向や視線を向ける相手が偏りがちです。

 しかし、これは聞き手にあまり良い印象を与えません。

 見る方向が偏る例
・その場の上席者ばかり見てしまい、部下のほうはあまり見ない
 意思決定者を重視したいのはわかりますが、例えば営業提案の終了後、相手の部下の 「あの人、部長ばかり見ていましたね。なんだか、現金というか、仕事上も気配りに不安がありそうです」
 なんてひとことで失注するケースもあります。

・熱心に聞いてくれている人ばかり見てしまい、ほかの人を見ない
 これも起こりがちです。
 聞いてくれている人はそれでいいんです。
 むしろ、そうでない人にいかに聞いてもらうかが大事なのです。

目を見続けるのが恥ずかしいと感じる場合は、こうすればいい

 全員に目を配り、気を配りながら、1人も置いていかないような「対話」を心がけましょう。

 これは相手を観察するためだけでなく、「私はあなたに興味を持っています」というサインを送る効果もあります

 意識してアイコンタクトをとりましょう。

 ただし、目を見続けるのが恥ずかしいと感じる場合は、無理をする必要はありません。

 相手の目そのものを見なくても、おでこや襟元に視線を向けることで、充分に相手に関心を示すことができますし、相手の気配を察することができます

 自分なりに心地よいアイコンタクトを行いつつ、まんべんなく目を配ることを意識しましょう!