会話の上手い人が例外なく使いこなしている技術がある。話題の書籍『対話するプレゼン』の著者、岩下宏一氏は、「アイコンタクトにもちょっとした秘訣がある」と言います。本記事では、プレゼンの場を「一方的に説明する場」から「対話の場」に変えることを提案した『対話するプレゼン』より、本文の一部を抜粋・加筆・再編集してお届けします。

特定の人に偏らず、一人ひとりを均等に見る
複数の相手と話す際は、聞いている人全員を均等に見ることが重要です。
たとえば、会議室で3人を相手に説明をしている場合、それぞれの顔に視線を向け、均等に目を配るよう意識します。
プレゼン中などは緊張もあるせいか、無意識のうちに見る方向や視線を向ける相手が偏りがちです。
しかし、これは聞き手にあまり良い印象を与えません。
・その場の上席者ばかり見てしまい、部下のほうはあまり見ない
意思決定者を重視したいのはわかりますが、例えば営業提案の終了後、相手の部下の 「あの人、部長ばかり見ていましたね。なんだか、現金というか、仕事上も気配りに不安がありそうです」
なんてひとことで失注するケースもあります。
・熱心に聞いてくれている人ばかり見てしまい、ほかの人を見ない
これも起こりがちです。
聞いてくれている人はそれでいいんです。
むしろ、そうでない人にいかに聞いてもらうかが大事なのです。
目を見続けるのが恥ずかしいと感じる場合は、こうすればいい
全員に目を配り、気を配りながら、1人も置いていかないような「対話」を心がけましょう。
これは相手を観察するためだけでなく、「私はあなたに興味を持っています」というサインを送る効果もあります。
意識してアイコンタクトをとりましょう。
ただし、目を見続けるのが恥ずかしいと感じる場合は、無理をする必要はありません。
相手の目そのものを見なくても、おでこや襟元に視線を向けることで、充分に相手に関心を示すことができますし、相手の気配を察することができます。
自分なりに心地よいアイコンタクトを行いつつ、まんべんなく目を配ることを意識しましょう!