神奈川女子受験生の動向と立教大学系属校トリプル受験
2日には付属の共学校の入試も多く行われる。15年は慶應義塾湘南藤沢が大きく受験者数を減らしている(男女比は推定値)。最近は実倍率4.7倍を維持しているが、これが26年には3倍台に緩和するかが注目点となりそうだ。
25年の3日から26年は2日に戻る青山学院は、男子の受験者数を維持できるかが注目される。15年は女子が大きく減ったものの、16年は14年を上回る勢いだった。26年の女子実倍率が5倍を割るかにも注目だ。25年に前年より受験者数を増やした明治大学付属明治[1回]と中央大学附属横浜[2回]への影響は未知数であるが、大きく変化することはなさそうだ。1日午後の神奈川大学附属[1回]も同様である。
三つ目の注目点は、神奈川の女子校入試の変化である。山手にある横浜女子御三家は、15年には3校とも1日から2日に移動した。ところが、26年は横浜共立[A]のみとなっている。いずれも難度が緩和気味であり、フェリス女学院は上位校レベルを保っているが、残りの2校は中堅校レベルとなっている。横浜雙葉は24年に2日に2回目の入試[2期]を設定したこともあり、1日から移動することが不可能となった。
神奈川の女子校で唯一、1日1回だけの入試を維持しているフェリス女学院は、白百合学園と同様、受験者数がじりじりと減少、実倍率は何とか2倍に踏みとどまっている状況にある。15年の併願先は、1日が桜蔭か雙葉、3日と4日は豊島岡女子学園の[2回]と[3回]となっていた。26年は1日から動かさない代わりに、人物考査(筆記および面接)は実施しない。これで持ち直せるかは未知数である。
東大合格者数で女子学院に並び、名実共に神奈川トップ女子校となった洗足学園は、26年入試から5日[3回]を廃止する。かつては500人以上、25年でも298人が受験した入試回をやめることで2回入試体制に移行する。これに伴い募集定員は、1日[1回]80人から120人に変更された。フェリス女学院にとってはさらなる試練かもしれない。
神奈川では他にもいくつかの動きが見られる。1日午後の1科目入試が人気の湘南白百合学園は、集合時刻をずらすことで、算数と国語の1教科入試を両方受けることも、どちらかを受験することも可能となる。25年に新設された2日午後の山手学院[特待選抜2]には135人の女子が受験している。また、鎌倉女子大学は鎌倉国際文理に校名を変更し、共学化する。
四つ目の注目点は、立教大学系属校である立教女学院と香蘭女学校のトリプル受験が26年に限り可能になることだろう。両校共に条件を満たせば100%の内部進学枠が確保されていることもあり、立教ファンの女子受験生には朗報といえる。具体的には、1日香蘭[1回]、2日立教女学院、2日午後に香蘭[2回]となる。香蘭と立教女学院の難度は同等になっているが、いずれも受験生を増やす可能性が出てきた。
また、男子校の日本学園が26年から明治大学付属世田谷となり共学化することで、明治大学付属明治、明治大学付属八王子と組み合わせれば、明治大学付属・系属校の女子トリプル受験が今後可能となる点にも注目しておきたい。