「女子学院」の影響はどのように出るのか

 最初の注目点は、難関校受験生の動向である。偏差値65以上のAランクで1日から2日に動くのは、今のところ女子学院のみである。受験者数が14年714人から15年には873人となったが、23年からの3年間は640人台で安定している。すでに中学受験塾では女子学院対策のクラスが大人気となっており、26年にも100人以上の上積みが予想される。

 15年の併願先を見ると、女子学院の受験生は1日に桜蔭、3日に豊島岡女子学園[2回]を受験している。あまりに入試問題が難しくなり、独自の対策も必要ということから、桜蔭の受験生は23年に比べ25年は91人も減らしているが、26年には500人台後半までは伸ばす可能性があるだろう。

 1日のみの入試回となる東京女子御三家の桜蔭雙葉に加えて、早稲田実業学校(早実)の女子受験生も2日には女子学院を併願している。このように難関校志望者にとっては大きなチャンスとなるが、偏差値は動かず、受験者数が増えた分だけ実倍率も上がる。

 共学難関校の女子受験生では、15年に大きく増えた渋渋が、実倍率4倍超ということもあり、10年前より100人ほど減少しているのだが、比較的校風の似ている女子学院との併願需要に応えることになるだろう。一方、こちらも高倍率により年々受験者数が軟化傾向の広尾学園[1回]だが、実倍率が3倍を割った1日午後[2回本科]や4倍前後の2日午後[医進・サイエンス]も含め、どのくらいの上積みとなるか。早実は15年もさほど増加が見られなかったが、26年も同様とみられる。

 次いで1日上位校の動向である。偏差値60以上のBランクでは、東洋英和女学院[A]が2日に移動する。15年は1日に学習院女子[A]もしくは頌栄女子学院[1回]を、3日は東洋英和女学院[B]を併願していた。26年は女子学院も2日に移動することもあって、15年とあまり変わらないだろう。ただ、1日の学習院女子[A]はすごい勢いで受験者数を増やしており、3倍に迫るその高倍率を26年の受験生は敬遠するかもしれない。

 15年にはいずれも3つの入試回があった吉祥女子鴎友学園女子は、現在いずれも2つの入試回となっている。15年の吉祥女子[1回]の併願先は、2日に渋渋[2回]もしくは吉祥女子[2回]、3日には筑波大学附属都立小石川となっていた。一方、鴎友学園女子[1回]の受験生は、2日に女子学院鴎友学園女子[2回]、3日は豊島岡女子学園[2回]もしくは東洋英和女学院[B]となっており、両校の受験生はだいぶ様相が異なる。 

 2日入試校で注目されるのは白百合学園だろう。15年は前年より98人減らしたものの、実倍率はあまり変わらなかった。ここ3年間受験者数が減少傾向で、25年には実倍率が1.8倍と2倍を割った。15年のように大きく受験者数が減った場合、26年は大幅な緩和傾向となり、正念場になるかもしれない。対応策として発表されているのは、保護者1人同伴の面接(7分程度)の廃止である。狙い目入試回ともいえるわけで、受験生はどのような選択をするのだろうか。