「十年一昔」で一変した入試内容の設定
15年に起きたことが26年もそのまま起きるのか。入試を巡る状況が大きく変化しているため、その点を考慮しながら見ていく必要がある。
まず、移動人数という規模の問題である。15年は14年の6校合計2027人が2日に移動したことになるが、26年に移る予定の4校の25年受験者数合計は1460人と3割近く減っている。それだけインパクトは薄れるわけだ。とはいえ、その数倍の受験生に影響を与えるという点では、前回同様、“ショック”は難関・上位校の受験生を中心に起きることになるのは間違いない。
次に、15年には見られなかった午後入試が1日と2日に激増している点が挙げられる。図4は1日午後の入試回で、共学校が多く顔を見せている。図6には2日午後も入れたが、ここには共学校に加えて、15年にはなかった香蘭女学校の2回目が人気となっている。午後入試をどのように組み込むかは、保護者の腕の見せどころでもある。
そして、まさに十年一昔で、受験者数や実倍率はもちろんのこと、各入試回の偏差値が大きく変動している点も見逃せない。15年と25年を比べた四谷大塚の合否判定80%の偏差値の増減は以下の通りである。
まず1日で増やした入試回は香蘭女学校+6、洗足学園[1回]+4、渋渋[1回]の女子+3、東洋英和女学院[A]+2で、減らした入試回は横浜雙葉▲9、横浜共立学園[A]▲8、フェリス女学院▲4、立教女学院▲2となった。残りは±1以内である。横浜女子御三家の落ち込みの激しさが印象的である。
入試内容の変更については、15年と26年を比べた4つの注目点に沿って見ていきたい。具体的には、難関校、上位校、神奈川女子校、立教系属校となる。