
永野芽郁と田中圭は活動継続中
過去の「文春砲」と何が違うのか?
永野芽郁さんと田中圭さんの不倫疑惑については、永野さんが出演予定だった2026年の大河ドラマからの降板、2人が出演するCM動画の削除と、現在までにかなりのペナルティを受けてはいます。しかし、ベッキーさんや東出昌大さんのときのように、芸能界から姿を消すほどの深刻な事態になっている雰囲気はありません。元文春編集長として、その理由を3つの視点から考えてみたいと思います。
第一の視点は、文春編集部の準備不足です。第一報を読んだ瞬間から、文春砲が時折見せる「欠点」が見て取れました。
それは、永野さん、田中さんの不倫疑惑による「被害者」の肉声がまったく聞こえてこないことです。今回の場合、一番の「被害者」は田中圭さんの妻だと思われますが、それ以外にも考えられる被害者はいるかもしれません。しかし文春には、被害者への誠実な取材の痕跡が見当たらないのです。
第二弾で報じられた、2人のものとされるLINEのトーク履歴は、テキストデータにして他のデバイスに簡単に送信できる機能を使ったものと思われます。私の経験でも、時間は1分程度しかかかりません。このトーク履歴の流出は、当事者のスマホを手にとりやすく、パスワードも解析しやすい身内によるものか、それとも不倫をこの段階で止めさせようとした2人の仕事関係者によるものかなど、可能性はいくつか考えられます。
しかし、いずれにせよ2人は共に「不倫」を否定しているのです。これでは「被害者」の肉声が出ない限り、2人を責めることはできません。不倫は私事ですから、被害の訴えがあって、初めて公的な事件として報道が可能になるからです。
かつて「文春砲」というあだ名を生んだ「ベッキー報道」では、本人が当初不倫を否定していましたが、LINEの中では「文春報道の事実」を認めており、不倫相手の妻の告白も掲載されたため、謝罪記者会見となりました。不倫だけでなく、「嘘つき」という従来のイメージと真逆の実像が露わになってしまったことも、ベッキーさんが本格的に芸能界を追放された原因でした(数年後に復帰)。
以降、これが「文春砲対策」の失敗例の代表とされ、(1)不倫を認める、(2)謝罪会見をする、(3)騒動を決着させる(配偶者との離婚、慰謝料の支払いなど)ことが、文春砲対策の原則とまで言われていました。東出昌大さんと杏さん夫婦の場合も、杏さんが情報源ではないかと思われる書き方で東出さんのトンデモ行動が報道され、女性たちの反感を買い、やはり謝罪会見に追い込まれました。