
広末涼子さんだけじゃない
記憶に深く刻まれた女性芸能人たち
私が現役時代、雑誌記者であることを明かすと、たいてい「芸能人は誰と親しいですか?」という質問が出ました。答えは「ほとんどいません」です。実際のところ、女性誌や芸能誌に在籍していない限り、編集者が芸能人と親密な関係になれる機会は多くないのです。
しかしそんな中でも、取材などの限られた時間の中で強く印象に残った女性芸能人は、少なからずいるものです。たとえば、今世間を騒がせている広末涼子さん。先日、静岡県の高速道路を走行中にトレーラーと追突する事故を起こした後、搬送された県内の病院において、看護師の女性に対して蹴る、腕をひっかくなどの暴行を加え、傷害の現行犯で逮捕されました。
広末さんの「奇行」や「わが道を行く私生活」が取り沙汰されるのは、今に始まったことではありません。私は以前の記事「『広末涼子は魔性の女性』という誤解、虚像になり切れなかったアイドル時代の素顔」において、彼女の本質を語る上で欠かせない、「虚像になり切れなかった素顔」について考察しています。詳しくはそちらの記事を読んでほしいと思いますが、雑誌記者は、こうした女優たちの「知られざる一面」を垣間見ることができるという意味で、非常に醍醐味のある職業とも言えます。
そこで今回は、私が現役時代に会い、印象に残った女性芸能人たちの思い出を語っていきたいと思います。
私の最初の女優取材体験は、最悪でした。1980年代のこと。竹下景子さんはカメラマンと結婚しましたが、その直前にカメラマンの「糟糠の妻」というべき立場の女性が「貢がせて捨てたひどい男」という内容の手記を出しました。
当時の竹下景子といえば、NHKの『中学生群像』(『中学生日記』の前身)で人気を博し、その後「お嫁さんにしたい女優ナンバーワン」と言われていた清純派。今なら「文春砲」の好餌となる話題ですが、当時の文春は芸能は得意分野ではありませんでした。新人の私一人で竹下さん本人への直撃命令が出ました。