モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫Photo:Clive Mason/gettyimages, JIJI

豊田章男・トヨタ自動車会長の長男である豊田大輔氏が、トヨタグループ子会社からトヨタ本体へ帰任すると発表された。いずれグループの総帥となり得るのか、そもそも豊田家とは一体どんな存在か。プロパー社長の発言や、大輔氏が叩き込まれるであろう帝王学についても考察する。(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)

豊田章男・トヨタ自動車会長の
長男・大輔氏が本体復帰へ

「トヨタ、豊田大輔氏帰任」――6月1日、こんな一報がネットニュースを賑わせた。

 豊田大輔氏とは、豊田章男・トヨタ自動車会長の長男でトヨタ創業家の嫡流として4代目となる人だ。現在はトヨタグループのひとつ、ウーブン・バイ・トヨタのシニアバイスプレジデント(上級副社長)を務めている。その大輔氏が8月1日付けでトヨタ本体に復帰するという。

 そこで今回は、トヨタ自動車にとっての豊田家とは一体どんな存在か。大輔氏はどんな人物か、いずれトヨタグループの総帥となり得るのか――、考察してみたい。

 まず、筆者はウーブンが発表した内容を見て驚いた。下記、「リーダーシップの変更について」と題した企業ニュースから一部を引用する。

豊田は、当社の創業メンバーの一人として、会社の立ち上げやビジョン策定を牽引するとともに、モビリティのテストコースであるToyota Woven City(以下「Woven City」)といった新たな挑戦に粘り強く取り組んできました。特にWoven Cityのプロジェクトにおいては、自らもWeavers(ウィーバーズ/住民やビジター)として関わりながら、他のWeaversやInventors(インベンターズ/発明家)をはじめとした多くの仲間やステークホルダーとともに、構想段階からプロジェクトの実務リーダーとしてプロジェクトを推進しました。昨年9月にはPhase1のオフィシャルローンチ(実証開始)という重要なマイルストーンをチームでやり遂げるなど、着実にプロジェクトを前進させました。

 こんな長文で大輔氏の成果を強調し、トヨタ本体帰任を発表したことからも、異例中の異例だと感じたのは筆者だけではないだろう。それでは、大輔氏とは、どんな人物か。