5月6日夕刻、戦闘攻撃機「F/A18スーパーホーネット」が紅海で米空母「ハリー・トルーマン」に着艦しようとしていた。戦闘機を減速させる艦上の装置が故障し、6700万ドル(約97億円)の同機は滑走路から滑り落ちて海中に没した。これでトルーマンは5カ月足らずで戦闘機3機を失った。この数時間前、ドナルド・トランプ米大統領は国防総省高官の意表を突く形で、イエメンの親イラン武装組織フーシ派との停戦合意を発表した。トルーマンはフーシ派と戦うために2024年12月に紅海に到着し、作戦に加わっていた。激しい交戦と間一髪の状況が続き、米海軍には大きな負担がのしかかっていた。当局者は現在、寄せ集めの敵がどのように世界最強の水上艦隊に挑むことができたのかを分析している。イエメンは世界最貧国の一つで、フーシ派は旧式の施設や洞窟を拠点にしていたにもかかわらず、予想外に手ごわく、米海軍は第2次世界大戦以降で最も激しい戦いを強いられた。