JR高徳線の八栗口駅を通過中の特急「うずしお」JR高徳線の八栗口駅を通過中の特急「うずしお」(筆者撮影)

これまで2回にわたってローカル鉄道の存廃問題について取り上げてきた。この問題とはつまるところカネの話である。鉄道の維持にはカネがかかる。鉄道事業者がダメなら、国か自治体か利用者か、別の誰かがカネを負担しなければならない。前々回の記事は、財源として期待されるユニバーサルサービス料金の議論を解説した。前回はJR北海道が「黄8線区」の維持策として、上下分離方式導入の協議を沿線自治体に申し入れたことを紹介した。以上の議論をふまえ、今回は、ローカル線問題において最も「厄介」で「難解」なJR四国を取り上げたい。同社の現状認識と今後の課題を聞くべく、筆者は4月20日に香川県高松市のJR四国本社を訪問した。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

JR四国の現状と
経営自立への取り組み

 まずはJR四国の置かれている現状と、経営自立に向けたこれまでの取り組みについて簡単に整理しておこう。同社の経営自立計画はJR北海道と同じ2011年度にスタートした。

 このタイミングで経営自立計画が始まった背景には、バブル崩壊後の輸送量、運輸収入減少に歯止めがかからない中、人口減少の進行と高速道路網の拡大、リーマン・ショックによる景気後退、また、2009年から2011年にかけての「高速道路休日1000円」で、経営環境が大幅に悪化したことがあった。

 国の財政・税制支援のもと、2020年度に国の支援を必要としない自立経営の実現を目指したが、2019年度まで数値目標をクリアできず、2020年度事業計画も未達となった。そして迎えた2020年、コロナ禍で計画が前提から崩れてしまう。