2020年に全米各地で騒乱が起きたとき、ドナルド・トランプ大統領の政権で国防長官を務めていたマーク・エスパー氏は一つの制限を設けた。それは米国内の街頭で起きている抗議活動を鎮圧する目的で現役の軍隊を派遣することは、めったにあってはならないというものだった。エスパー氏は「法の執行という役割に現役部隊を活用するという選択肢は、最終手段としてのみ、そして最も緊急かつ差し迫った状況においてのみ使われるべきだ」と述べ、ジョージ・フロイドさん殺害に対する抗議行動への対応で軍を派遣することを提案したトランプ氏と、公然と対立するようになった。それから5年後、第2次トランプ政権のピート・ヘグセス国防長官は、そのような良心の呵責(かしゃく)を全く抱いていないようだ。