キャプテンが「週末は何をしましたか(もちろん、英語で)」と質問すると、子どもたちが次々に答えていきます。答えるのも基本は英語なのですが、途中で「日本語でいい?」と言って日本語も交えながら話す子もいます。

 それが咎(とが)められるわけでもなく、ごく自然に、日本語も交えながら英語での会話が進んでいきます。しかも、誰もが楽しそうだし、積極的に発言しています。発言を求められないようにオドオドしている子はひとりもいません。

試験はありません

 ホクレアでは英語の学習が重視されています。文科省は2020年度から小学3、4年生で「外国語活動」、5年生と6年生では「外国語」として英語を必修の教科にしています。日本の子どもたちに対する英語教育を強化したわけです。そういう流れのなかでホクレアでも英語学習に力を入れている……わけではありません。

 ホクレアが英語学習に力を入れている理由を、創立者であり理事長の小針一浩(こばりかずひろ)さんは次のように説明します。

「ホクレアは、『どんな世界でもサバイブ(生きのびる)できる子を育てる!』を建学の精神にしています。いろいろ社会が変化していくなかで、この子たちがどうやって生きていくのかを考えたとき、いわゆる学力は関係なくなっていくとおもいます。

 そして大事になってくるのが、コミュニケーション力です。世界中に仲間をつくれる子は、どんな時代でもサバイブできるからです。そのコミュニケーションをとるための道具のひとつが、英語です。だからホクレアの英語学習は、いわゆる学力の英語ではなく、コミュニケーション・スキルなのです」

 その小針さんの説明に、筆者は「試験はするのですか」という、ちょっとピンボケな質問をしてしまいました。