「『未来がどんな世界、どんな社会になってもサバイブする子が育つ学校を湘南につくりたい』って考えています。今から準備を始めるので来春に間に合うかどうかわからないけど、チャレンジしてみます。アウトプットがまとまったら、どんな学校をつくりたいのかぜひ話を聞いてください!!」

 そして2022年4月、湘南ホクレア学園が開校します。宣言から、わずか5カ月での開校は、校舎となる物件探しなど、簡単ではありませんでした。それでも開校にこぎつけたのです。

教育には“ジャズ”も“ハードロック”も必要

 校名にある「ホクレア」は、古代ポリネシア人が航海のときに頼りにしていた星の「ホクレア」に由来しており、ホクレアでの生活は船や航海にたとえることになりました。校章には航海する船「湘南ホクレア号」が描かれています。

 この船に乗っているのがスタッフや子どもたちで、スタッフがキャプテン、子どもたちはホクレアクルー、保護者はクルーを見守る存在ということでガーディアンクルーと呼ばれます。入学式にあたるイベントは乗船式で、修了式は帰港式です。そして教室はデッキ、つまり船上の生活スペースというわけです。

 息子さんをふくめた子どもたちがサバイブできる、「生きる力を養える学校」ができあがりました。

 ただし、「生きる力」は学習指導要領で強調されている言葉でもあります。そうであれば既存の学校(一条校)でも重視されているはずですが、残念ながら、そうなっていないのも事実です。だからこそ、小針さんは自分で学校をつくらなければならなかったことになります。

 ホクレアのような学校が、これからどんどんできていくのでしょうか。飛躍しすぎかもしれませんが、小針さんに質問してみました。