
衆院議長を約6年半
務めた大島理森
青森県東部にあり県内2番目の人口を有する八戸(はちのへ)市。県立八戸高校は、創立130年を超える伝統校で、政官・学者・文化人など多くの分野で逸材を送り出している。
近年、活躍ぶりが目立った卒業生は、衆院議長を歴代最長の約6年半にわたって務めた大島理森(ただもり)だ。「気配りの政治家」として知られ、与党出身ながら野党の主張にも十分に耳を傾けた国会運営を続けた。
大島は1946年生まれ。八戸高校を経て慶応大法学部を卒業後、毎日新聞社に入社(広告局)したがすぐに青森県議となり、83年に衆院議員として初当選した。以降、青森県から当選12回を数えた。
文相・農水相、2度にわたる自民党国会対策委員長・幹事長・副総裁などを歴任し、安倍政権下の2015年4月に「三権の長」の一角、衆院議長に就任した。菅・岸田政権下でも議長を続け、21年10月に細田博之(東京教育大附属駒場高校・現筑波大附属駒場高校―東大法学部卒)と交代した。大島の衆院議長在職日数は、通算して2336日となった。
21年に衆院議員を引退、23年には日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会の委員に就き、25年1月には委員長になった。この5月下旬には2場所連続優勝を果たした大関・大の里(新潟県立海洋高校―日本体育大卒)の横綱昇進を決めた。委員長として記者会見した大島は、「委員の共通認識として『文句なし』との意見だった」と評価した。
大島は、25年春の叙勲で最高位の桐花大綬章を授与された。
大島のみならず、郷土の期待を背に多くの政治家を輩出していることが、八戸高校の特色のひとつだ。
現職の国会議員では、元日銀職員の神田潤一が自民党衆院議員の2回生だ。参院議員では、当選2回の自民党所属・滝沢求(もとめ)がいる。