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「ホワイトな職場なのに若手が辞めていく」こんな不満を嘆くマネジャー層が少なくない。若手が成長を実感できていないとき、上司としては何ができるのだろうか。

ダイヤモンド・オンライン会員限定で配信中の本連載をまとめた電子書籍『結果を出す人の仕事術』(石倉秀明著)の発売を記念して、特別編をお届けする。(構成/ダイヤモンド・ライフ編集部)

「ホワイトな職場」に
物足りなさを感じる若手

 そもそもホワイト企業やブラック企業といった言葉は、労働環境について語られるときに用いられることが多かったと思います。長時間労働を強いられたり、ハラスメントが横行したりしているのがブラック企業で、反対にそうした無茶な働き方をさせられないのがホワイト企業というイメージでしょうか。

 なので本来は、労働環境がきちんと整備されている、いわゆるホワイト企業であることと、若手社員のキャリア上の成長が見込めない、成長を実感できていないことは、何の関係もないはずです。

 では、なぜ成長を感じられないのか。さまざまな要因が考えられますが、その一つに適切な“負荷”がかけられていないことがあると思います。

 働き方改革が進む中で長時間労働が是正されてきました。これ自体は良いことです。

 ただ、労働時間減らそうとする中で仕事の質的な負荷も下がり、この結果、若手社員が物足りなさを感じてしまうのではないでしょうか。

労働時間と一緒に
求めるレベルも下げていないか

 上司としてできることは、まずその人が「どんな仕事をしたいと思っているのか」「どんな成長をしたいと思っているのか」を把握すること。マネジメントに興味があるのか、スペシャリストがいいのか。同じ部署にいる若手でも、人それぞれ目指すキャリアや温度感は異なるはずです。

 その上で、適切な仕事の割り当て(アサインメント)とフィードバックが重要なのだと思います。本人の能力やスキルに対して、適切な負荷がかけられているのか。それを見極めるのが上司の重要な仕事です。

 本来、労働時間が減るということは、同じアウトプットをより短い時間で出さなければいけないということ。部下に求める質は、必然的に上がるはずです。

 ただ労働時間を減らす(=求める成果のレベルも下げる)だけになっていないか、注意が必要です。

石倉秀明(いしくら・ひであき)
山田進太郎D&I財団 COO。2005年に株式会社リクルートHRマーケティング入社。その後、リブセンス、DeNA、起業などを経て2016年より株式会社キャスター取締役COOに就任(2021年より取締役CRO)。2023年10月の東証グロース市場上場に貢献し、2023年12月からは働き方について研究、調査を行うAlternative Work Labを設立し所長就任(現在も兼任)。FNN系列「Live Newsα」、AbemaTV「ABEMAヒルズ」レギュラーコメンテーター。著書に『これからのマネジャーは邪魔をしない。』(フォレスト出版)、『THE FORMAT 文章力ゼロでも書ける究極の「型」』(サンマーク出版)など。
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