大成建設、業績好調でも増収率が40%超→1%台と急激にペースダウンした理由写真はイメージです Photo:PIXTA 

上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析する人気連載「ダイヤモンド決算報」。今回は大成建設、鹿島、大林組、清水建設の「ゼネコン」大手4社を取り上げる。足元では業績好調に見えるが、来期は減収減益予想も。大型再編も動き出したゼネコン業界の“今”を決算の数字から把握しよう。(ダイヤモンド・アナリティクスチーム 松野友美)

通期では、大成、鹿島、大林組は増収増益
清水は減収増益

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のゼネコン業界4社。対象期間は2025年1~3月期の四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・大成建設
 増収率:1.3%(四半期の売上高6267億円)

・鹿島
 増収率:32.0%(四半期の売上高8854億円)

・大林組
 増収率:18.5%(四半期の売上高7389億円)

・清水建設
 増収率:10.7%(四半期の売上高6164億円)

 大成建設は前年同期比で1.3%、鹿島は32.0%、大林組は18.5%、清水建設は10.7%の増収となった。これまで増収率が突出して高かった大成建設だが、今回は4社の中で最も低い結果となった。何が起きたのか。

 なお、24年4月〜25年3月累計の前年同期比は、大成建設、鹿島、大林組が増収増益、清水建設が減収だが増益となった。

 次ページ以降では各社の増収率の推移を紹介するとともに、増収率が最も低かった大成建設の業績を詳しく解説する。